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やっぱり止まらないとダメです

バイクに厳しい季節になった。

今年は早い時期に寒くなり始めたものの急に暖かくなったりしたので冬装備をするのが遅くなった。

昔は若かったから気にしなかったせいもあるのだろうけど、最近は色々防寒グッズがあって走ってしまうとそれほど苦にならない・・・いや寒いけど・・・

 

メガネがずれたり曇ったりするのが嫌なのでオープンフェイスのヘルメットを使用しているが、これがまた首が寒い。昨シーズンはマフラーをしっかり巻いていたのだが、今シーズンは冬装備が遅れている分、走り出してから寒さを感じることが多い。

でもまあ昔に比べたらとは思う。

 

そういえば若かりし頃の話。

体育会系の部活というのは基本ドSなので冬寒くなると「早朝練習」なんてのがある。武道系だとかなりの確率で行われていると思う。

まだ日が出ないうちに原付に乗って学校まで行くのだが、まず早朝で体も頭も寝ぼけ状態で家を出ることになる。それがそもそも大変危険な行為であるわけだが、それに加えて寒いので震えを止めるために歯を食いしばったりする。寒いので少しでも風に当たる面積を小さくしようと体を縮こまらせて、それでも震える顎に力を入れて歯を食いしばって、早く目的地について僅かでも暖を取りたいと思うので結構全開。こんな状態のどこで安全運転に神経が行くものか・・・

幹線の国道は周囲の車も飛ばしていてスピード感覚も麻痺しているし、今と違って歩道を我が物顔で走る自転車もいない。もっとも今でもそんな早朝に自転車がいるかは疑問だが。神経が寒さに耐えることに集中して、スピード感覚も麻痺して、とにかく全開で走っているのだが、幹線国道といっても高速道路でない以上信号はあるわけで、いずれそれに引っかかることになる。

夜明け前なのでどの車もライトを点灯していて、赤いテールランプが視界のほとんどを支配している。車間距離を詰めていなくても車に囲まれて走っている以上視界は真っ赤っかである。寝ぼけ気味で神経は寒さに耐えることに全力を傾けているので、赤に囲まれ慣れてしまうと・・・急に赤が眩しくなったりする。

なんだよ〜疲れてるのかな〜

なんてぼけぼけ走る

いやいや、その赤いの大きくなってるし!

そう、信号ってやつだ。前の車がブレーキを踏んでいる。飛ばしてるといってもこっちは原付なのでスピードが出てても知れたもので、ボケボケして反応が遅れることはそれほど致命傷ではない。周りの車の方が断然スピード出てるし。むしろ問題は前車のブレーキランプに気付いた後だ。

あ〜止まるんだね〜

っておいおい自分も止まらなきゃだろ!寒さに耐えるのにグリップを全力で握りしめているので当然レバーはすぐには掴めない。

う〜ん、手を動かすの面倒だな〜寒いし

止まらないとダメかな〜

といったところでようやく正気に・・・

ダメじゃん止まらなきゃ

ってことでようやくブレーキをかける。

 

早朝で反応が悪い自覚はあるので車間距離は十分とっていて(周りの車は自分より飛ばしているし)、結果として十分な距離を残して止まれるのだが、止まってから何で「止まらなきゃダメかな」などと考えたのか、恐ろしくも笑える瞬間だった。

実際は言葉にするとのんびり考えてのんびり反応しているようだが、実際の時間は1秒足らず。その一瞬に言葉にするとすごくのんびりした思考をしているのも驚きつつ笑えた。

 

今はこんなシチュエーションでバイクに乗ることもなくなったし、防寒対策もそれなりにするので寒過ぎて指を動かすのも億劫なんてことはないが、冬にバイクに跨ると思い出すエピソードである。